飛鳥瓦と漆
今朝、大工さんの写真を撮りに行くと、庫院に垂木が 早っ。 柱いっぱい。仏殿の屋根には防水シート 方丈の間では内装です。 庫裏の裏では左官さん。 裏から見た観音堂。 この瓦は飛鳥瓦というそうです。ちなみに入母屋作りの屋根の反りですが、大工さんが作った反りを瓦職人さんがきれいな曲線になるよう微調整しているそうです。1枚ずつ貼ってるのに不思議。気仙沼のヤマサカさんという瓦屋さんの作品です。
この観音堂の中に位牌が並ぶ予定になっています。位牌を並べる位牌段がこれ。 位牌は これ。ともに漆塗りです。漆の良さはその光沢はもちろんですが、その固まり方が他の塗料と違います。シンナーを含む塗料はシンナーが揮発することで固まります。エポキシやウレタンの2液塗料は2液が反応してかたまります。しかし、シンナーも含みます。UV塗料の場合は紫外線により原子の周りを回る電子のエネルギー順位があがり、オービタル結合することで固まりますが、シンナーを含みます。シンナーは塗料が固まっても揮発し続けるので、シックハウスなどの問題をおこします。シンナーには、トルエンみたいに歯が溶けちゃうのとか、メチルエチルケトンみたいに無茶苦茶酔っぱらうものとか、まあ、有害です。
で、漆は揮発して固まるのではなく、空気中の水分を吸って固まります。アロンアルファなどの瞬間接着材も水分を吸って固まるのですが、瞬間接着剤はシアンガスが出るので、注意してね。漆の場合はガスなんか出ないから安心です。学校給食の食器に使われているポリカーボネイドを80度くらい加熱すると環境ホルモンが出てくるので、というので、一部地域で学校給食に漆器が使われてるそうです。なんだかんだで変わりの物が見つからないので、ポリカーボネイドの問題は秘密の話になってしまったみたいです。
漆の話が他の化学の話になってしまってますが、この漆は能登半島の輪島塗りです。位牌段と位牌は輪島塗りの輪島屋さんが作っています。能登半島の地震の際には被害もでたそうですが、今はたぶん大丈夫なんでしょう。いろんな職人さんに支えられている真光寺であります。
葛飾北斎の富岳36景というのがありますが、富士山が主役ではなく、富士山の前で働く職人さん達が主役です。作った物だけでなく作っている姿もまた作品だというお話です。
年末で、知ってること全部文章にしてしまったうえだでした。 ではでは
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