原稿を頼まれて、書いたんで転載。
”サヘルの森”の機関紙の原稿を頼まれまして、書きました。夜なべして。
機関紙に載る原稿だけど、かぶって読むのは方丈さんくらいなんで、転載しちゃいまーす。
セールスフォースさんの事を書いてるのは、サヘルの森に寄付を頂いてるという大人の事情です。
メールの文章のまま。
上総自然学校のことを書けばいいんだよねー。
ということで、
この文章がみなさんの所に届く7月上旬、谷津田での作業は畦の草刈。簗刈。中干しでしっかり水を抜く為、水路を掘ったりしてると思います。
いろんなトンボが次々と羽化してますが、何トンボなのか、名前まではわかりません。トンボに詳しい人が来ると、”あれが居た。これが、”って大騒ぎしてます。
そして、みんなが言うのは、”こういう谷津田が珍しくなって。””開墾して、休耕田を田んぼに戻すなんて。”
調子に乗って、殺虫剤、除草剤という農薬を使わず、肥料も牛糞と竹を燃やした灰でお米を作っています。米の味が野生的だったり、安全だったり もあるんですが、それより、いろんな生き物がどんどん増えてきます。そうそうこの季節はヘイケボタルがたくさん居ます。虫が増えるとカエルや小鳥がどんどん増えて、それを狙う、猛禽類とテンや狸が暮らしていけます。(イノシシ、ハクビシン、アライグマ、キョンなどの害獣も。)
続く。
また送ります。
ここからは、人との関わりについてです。地元の方々とのディープな関わりは後回しにしまして、まずは田植えなどの体験イベントで訪れる都会の人々のお話。
休耕田を田んぼに戻すという作業のお手伝いをお願い。というコンセプトでイベントを始めたんですが、田んぼの整備が進むと親子どんどん増えて、元々子供を集める気も無いので、叱り飛ばしてるんだけど、なぜかそれが親に受けてるようで、何度も何度もやって来ます。一昨日もお寺を走り回るガキども。
元気がいいのはもちろん結構なんだけど、田んぼにはマムシとヤマカガシという毒蛇とスズメバチが居ます。道にガードレールもありません。”話し合えば分かる。”とか、”法治国家だから法の下で。”と いう”理屈”が通じないのが自然です。センサーを敏感にして、危険を察知して回避しなければいけない世界です。アフリカ式。イベントのもう一人のスタッフも協力隊のマラウイOBです。
イベントには、IT企業のセールスフォースさんがCSRで来ています。普段六本木で仕事をしている方々が子供に泥を投げられて、かなり健全。
普通の遊びに飽きたのかもしれませんが、都会の人々が里山に来て農作業をやるのは、便利すぎる日本よりマリに行ってしまう、サヘルの森スタッフと同じです。
続く。
で、ここからが本題です。
まったく農業の経験がなかったのに、今偉そうに他人に米つくりを語ってられるのには、周りに支えられたおかげです。
上総自然学校は真光寺というお寺の中の組織なので、檀家さん達のネットワークが元々できあがっています。
堆肥が欲しければ牛農家さん。コンバインの調子が悪ければ農協の機械部に檀家さんが働いています。
最初は田んぼそのものを貸してもらいました。日々の作業は隣の田んぼのおじいさんにいろいろ教えてもらいました。
水源の横井戸の位置も檀家さんの昔話が手がかりになります。
より細かな情報を得る為のノウハウがありまして、これがまさにサヘルの森方式。住んで学ぶ。
家に居ると”ちょっと手伝って。”と呼び出されます。田植えの時の苗を運んだり、稲刈りの角刈りをしたりするんですが、分かってるようでなんとなくやってた作業が実は間違っていたり、もっと効率良くできたり。
今では機械化された作業も昔の手作業をやっていた人達ですから、田植えの筋を付ける転がしをくれて、使い方を教えてくれたり、田車を貸してくれたりします。
足踏みの脱穀機をネットオークションで買ったのはいいが、どちら向きに回すのか分からない。法事に来てた檀家さんに教えてもらいに会食してる所に行きまして”足踏み脱穀機って、手前に回すんだっけ?向こうに回すんだっけ?”と聞くと、5人が同時に”向こう!”という答えが返ってきました。その脱穀機を使って いると散歩をしてたおばあさんがわざわざやってきて、”あら、懐かしい。子供の頃やらされて大っきらい。”思わず笑ったけど、機械化が進む理由がよく分かります。
秋、田んぼにレンゲの種を撒いたという話をすると、隣のおばあちゃんが昔レンゲは畑で遊んだ話をしてくれます。農作業は食べる為稼ぐ為の作業だけど、その中に楽しみがあって、そういう営みが文化へとなっていることが分かります。
なんの因果か、お寺で米つくりをしてるわけですが、失われつつある文化に触れ、少しは周りに伝えることができてるようなんで、かなりラッキーな人生を送らせていただいている上田でした。 ではでは
終わり。
文章ナガ! ではでは うえだでした。
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